令和6年度 社会医療法人北斗会 大洲中央病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 10 12 29 60 134 253 374 171
当院は愛媛県の大洲医療圏(大洲市及び喜多郡)の2次救急指定病院で毎週金曜日から日曜日の3日間救急対応を行っています。
救急の輪番体制の広域化により、毎週土曜日には八幡浜圏域の救急患者の受け入れも行っています。
令和6年度の救急車の搬送件数1387件でした。
退院患者の年齢区分を見ると、全体の約90%を60歳以上の患者様が占めています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 66 25.80 16.40 13.64 85.45
100380xxxxxxxx 体液量減少症 40 21.70 10.26 7.50 82.10
0400800x99x0xx 肺炎等(市中肺炎以外) 手術なし 手術・処置等2なし 31 39.10 18.16 22.58 85.87
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 29 18.38 13.66 20.69 81.48
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 19 23.95 20.78 21.05 86.00
内科では、肺炎、体液量減少症、腎臓又は尿路の感染症、誤嚥性肺炎などの疾患にて入院治療をされる患者様が多くおられました。
どの疾患においても、患者様の平均年齢が高い傾向を示しています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折 手術なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 15.11 13.56 88.89 88.78
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし 47.14 19.30 14.29 76.86
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 50.25 12.98 25.00 80.00
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13.50 9.28 50.00 18.00
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 22.50 19.16 50.00 77.00
外科では、股関節・大腿近位の骨折、骨盤損傷、膿皮症、気胸、胸椎、腰椎以下骨折損傷などの疾患にて入院治療をされる患者様がおられました。
高齢者の外傷などの患者様が多く、当院の整形外科及び近隣の医療機関と連携して対応しています。また、当院では術後などのリハビリテーションも充実させており、早期の社会復帰ができるよう支援しています。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 25 70.52 25.29 16.00 83.12
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 12 13.92 5.95 0.00 68.42
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折 手術なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 4.22 13.56 100.00 82.11
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 46.14 17.84 0.00 56.43
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等 2.50 3.06 0.00 50.83
整形外科では、股関節・大腿近位の骨折、前腕の骨折等の患者様が多くおられました。
股関節・大腿近位の骨折は高齢者の方が多い傾向となっています。骨折にて入院となった患者様の多くは当院で手術を行っています。
当院は回復期リハビリテーション病棟を設けており、術後等のリハビリテーションも充実させ、早期に社会復帰できるよう支援しています。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 34 70.09 18.68 17.65 71.35
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし 29 39.48 16.94 0.00 77.14
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 26 19.31 9.83 3.85 80.96
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 19 41.53 16.89 10.53 73.16
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 30.53 7.99 13.33 76.27
脳神経外科では、脳卒中、脳血管障害、頭部外傷といった多岐にわたる脳神経疾患を診療しています。当院では、非外傷性頭蓋内血腫、脳梗塞、頭蓋・頭蓋内損傷などの患者様が多くおられました。当院は八幡浜・大洲医療圏(西予市、喜多郡、伊方町を含む)における脳神経外科領域治療の基幹的病院として24時間365日の体制で診療に努めています。脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA治療)なども実施しています。
また、回復期リハビリテーション病棟を設けており、リハビリテーションも充実させ、早期に社会復帰できるよう支援しています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 2.00 2.45 0.00 73.67
110080xx9901xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 32.00 19.91 0.00 89.00
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 62.00 11.29 0.00 81.00
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患 手術なし 2.00 7.95 100.00 72.00
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 3.00 3.53 0.00 69.00
泌尿器科では、前立腺の悪性腫瘍や男性生殖器疾患の治療を受けられている患者様が上位を占めています。近隣病院との連携を図り対応しています。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 8
大腸癌 1 8
乳癌 1
肺癌 1 8
肝癌 1
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
日本で最も罹患率の高い5つのがんの病期(Stage)ごとの症例数を集計したものです。
「がん」と診断され、初回治療を行った場合を「初発」、初回治療以外を「再発」と分類しています。病期(Stage)とは、「がん」の進行状態を示すものであり、0期からⅣ期の5つに分類されます。0期に近いほど「がん」が小さくとどまっている状態であり、Ⅳ期に近いほど「がん」が広がっている状態となります。
当院は「がん」の治療目的での入院患者様は多くありません。
「がん」と診断後に外科的な治療等(手術等)が必要な患者様は専門の医療機関へ紹介しています。当院では、専門の医療機関での治療終了後に転院される患者様や緩和ケアを中心として入院される患者様に対して内科的治療を行っています。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13.75 58.25
中等症 43 17.98 81.84
重症 25 28.48 85.92
超重症 25.50 85.50
不明 0.00 0.00
肺炎の重症度は、A-DROPスコアを用いて分類しています。A-DROPとは、状態を確認する5つの項目(Age(年齢)、Dehydration(脱水)、Respiration(呼吸)、Orientation(見当識)、Pressure(血圧))の頭文字をとったもので、例えば、重症度0は軽症で基本は外来のみ、1~2は中等症となり、外来若しくは入院となります。重症となると入院の適応、超重症では集中治療が必要な状態と判断されます。
当院では、中等症、重症の患者様が多く入院されています。軽症は比較的若年層で治療期間も短いですが、年齢も上がるにつれ、重症度も上がり治療期間も長くなっていることが分かります。
※市中肺炎とは、普段の生活の中で罹患した肺炎を言います。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。


 
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 113 55.65 78.74 5.74
その他 50.67 74.89 0
当院の脳梗塞における入院は、発症日から3日以内の急性期脳梗塞が多く占めています。
当院は回復期リハビリテーション病棟を設けており、早期にリハビリテーションを開始することで短期間での社会復帰も目指しています。
また、脳卒中に対し緊急に治療が必要な患者様を常に受け入れることが出来る体制を整えており、脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA治療)なども実施しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K654 内視鏡的消化管止血術 10 0.40 14.70 10.00 76.70
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 2.67 14.67 0.00 78.78
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 3.43 10.29 0.00 71.00
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 12.17 18.67 16.67 78.50
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 58.25 46.25 0.00 88.00
当院の内科では、消化器系疾患を中心に診療を行っています。上部・下部消化管、胆管・胆のう等の疾患に対して内視鏡による治療を行っています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。

外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0453 骨折経皮的鋼線刺入固定術 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)その他 0.00 13.00 0.00 72.00
K083 鋼線等による直達牽引(初日。観血的に行った場合の手技料を含む。)(1局所につき) 0.00 1.00 100.00 92.00
K637-2 経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術 15.00 72.00 0.00 89.00
当院の外科は、外科的手術はあまり行っておりません。開腹術や高度な外科的手術が必要な患者様には専門の医療機関を紹介しています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 24 1.71 71.00 8.33 83.71
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 19 0.74 22.53 0.00 65.95
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 0.13 2.00 0.00 55.13
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 3.29 88.86 28.57 86.57
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 0.60 26.40 0.00 69.80
整形外科では、骨折観血的手術・人工骨頭挿入術などの手術を数多く行っています。主に前腕・下腿・大腿骨骨折に対しての手術を多く行っております。
当院は回復期リハビリテーション病棟を設けており、術後、早期にリハビリテーションを開始することで短期間での社会復帰も目指しています。また近隣医療機関とも連携して対応しています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 29 1.00 24.10 3.45 81.00
K178-4 経皮的脳血栓回収術 0.00 92.13 12.50 74.25
K145 穿頭脳室ドレナージ術 1.60 60.00 20.00 79.80
K1781 脳血管内手術 1箇所 0.40 101.60 20.00 73.40
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 31.25 91.75 25.00 69.75
脳神経外科では外傷等による慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が最も多い手術となっています。頭部打撲から数週間以上経って、脳表に徐々に血液が貯まり、認知機能や運動機能、言語などに障害をきたす疾患で、高齢者に多発します。手術で速やかに改善することが多いです。また、脳血栓に対しての回収術や脳血管内手術などにも対応しています。
当院は八幡浜・大洲医療圏(西予市、喜多郡、伊方町を含む)における脳疾患に対する基幹的な役割を担っており、近隣の医療機関からの紹介患者様にも対応しています。脳神経外科では、救急日以外にもオンコール体制を整え、他院からの救急患者様を受け入れ、緊急手術にも対応しています。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8352 陰嚢水腫手術 その他 0.00 2.00 0.00 69.00
泌尿器科では陰嚢水腫手術に対しての症例がありました。
短期入院の患者様が多い傾向にあります。
(集計対象:厚生労働省保険局の【病院情報の公表】に係る病院情報の集計条件等により令和6年6月1日から令和7年5月31日までの退院患者が対象となります。)
※患者数が10未満の数値には「—」としています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0.00
異なる 0.10
180010 敗血症 同一 0.29
異なる 0.19
180035 その他の真菌感染症 同一 0.00
異なる 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 0.00
異なる 0.00
この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発生率を示しています。
手術・処置等の合併症については、合併症を起こさないように細心の注意を払っていますが、合併症は一定の確率で発生し得るものです。起こり得る合併症については、事前に患者様に十分に説明し同意を得た上で、手術や処置を施行するように努めています。
※患者数が10未満の数値には「—」としています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
39 32 82.05%
肺血栓塞栓症を引き起こすリスクの高い患者様に対する予防対策の実施割合を示しています。肺血栓塞栓症はエコノミークラス症候群ともいわれ、血栓が肺に詰まることで、呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。
周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は発生率を下げることにつながります。
※リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2017年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出。

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
190 175 92.11%
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティスとなります。 また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。本指標は、血液培養を行う際に2セット以上の検査が実施された割合を示しています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
142 95 66.90%
近年、世界中で耐性菌(抗菌薬が効きにくい菌)が増えており、大きな問題になっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
26037 21 0.81‰
入院中は体力の低下や慣れない生活環境の変化により、ベッドからの転落や病室などで転倒が起こることがあります。「転倒・転落発生率」とは、入院された患者様のうち、実際に転倒や転落が起こった割合を示す指標です。
転倒・転落は、骨折など大きなけがに繋がることがあります。発生状況を数値で把握することで、予防対策に繋げることができます。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
26037 2 0.08‰
入院中の患者様の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。
転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者さんに傷害が発生した率と、患者様への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒・転落による傷害予防につながります。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
12 12 100.00%
現在、細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与といいます。
手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
24197 15 0.06%
褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。褥瘡は患者様のQOLの低下をきたすともに、感染を引き起こすなど治療が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大もつながります。そのため、褥瘡予防対策は、提供する医療の重要な項目の1つにとらえられ、 1998年からは診療報酬にも反映されています。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
790 757 95.82%
早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながります。この指標は、入院された65歳以上の患者様のうち、早い段階で栄養状態の確認を行えた割合を表しています。

身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
26037 972 3.73%
身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害が生じる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでのやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。施設や医療機関などで、患者様を、「治療の妨げになる行動がある」、あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者様をベッドや車椅子に縛ったりする身体拘束は慎むべきものです。
本指標は、入院中の患者様の中で、どれくらい身体拘束をされているかの割合を示し、身体抑制の実態を把握し、早期に抑制解除を行う努力が継続されているかを検証するものです。
更新履歴
2025/09/26
DPCデータに基づく『病院情報の公表』に係る集計情報(令和06年度)を公開。